信用金庫17庫が赤字|預金は大丈夫?1000万円まで保護される仕組みを確認

全国の信用金庫で赤字が増えています。

2026年3月期は、全国254の信用金庫のうち17庫が最終赤字となり、前の期の5庫から大きく増えました。

背景にあるのが、金利上昇による国債などの価格下落です。

このニュースを見て、

「信用金庫に預けているお金は大丈夫?」
「赤字になったら預金は戻ってこない?」
「1000万円を超えて預けている場合は?」
「銀行と信用金庫で預金保護に違いはある?」

と心配になった人もいるでしょう。

結論からいうと、

信用金庫が赤字になったからといって、すぐに預金がなくなるわけではありません。

また、日本国内の信用金庫は預金保険制度の対象で、一般的な普通預金や定期預金などは、

1人あたり
1金融機関ごとに
元本1000万円まで+破綻日までの利息等

が保護されます。

一方で、1000万円を超える部分については全額が必ず保護されるわけではありません。

この記事では、信用金庫がなぜ赤字になっているのか、預金は安全なのか、1000万円を超える預金はどうなるのかを整理します。

※本記事は2026年8月27日時点の公表情報をもとにしています。

全国17信用金庫が赤字に

2026年3月期は、全国254の信用金庫のうち17庫が最終赤字となりました。

前の期は5庫だったため、赤字となった信用金庫は大きく増えています。

背景にあるのは、

金利上昇

です。

「金利が上がれば銀行はもうかるのでは?」

と思う人もいるかもしれません。

実際、貸出金利の上昇は金融機関にとって収益改善につながることがあります。

しかし信用金庫の中には、預金として集めたお金の一部を、

国債
地方債
その他の債券

などで大量に運用しているところがあります。

金利上昇によって、こうした債券の価格が下落したことが今回の赤字拡大につながっています。

銀行に1000万円以上預けるとどうなる?ペイオフ・複数口座・預金保護を確認
銀行に1000万円以上預けるとどうなる?預金保険制度(ペイオフ)、複数口座・別支店・別銀行、決済用預金、外貨預金の扱いを具体例で確認します。

なぜ金利が上がると債券価格は下がる?

債券価格と金利には、基本的に逆の関係があります。

たとえば以前、

年0.5%の国債

を買ったとします。

その後、市場金利が上がり、

新しく発行される国債が年2%

になったとします。

すると投資家にとっては、

年0.5%の古い国債

より、

年2%の新しい国債

の方が魅力的です。

そのため古い低金利の債券は、価格を下げないと売りにくくなります。

これが、

金利上昇

既存債券の価格下落

という仕組みです。

含み損とは?

債券価格が下がっても、すぐに損失が確定するとは限りません。

たとえば100億円で買った債券の市場価値が90億円になった場合、

10億円の含み損

がある状態になります。

この時点ではまだ売っていないため、損失が確定しているわけではありません。

しかし、

資金が必要になって売却する
運用資産を入れ替える

などの理由で債券を売れば、損失が実際に確定します。

今回、一部の信用金庫では保有債券の売却損が大きく膨らみ、最終赤字につながりました。

但馬信用金庫も赤字に

兵庫県北部を地盤とする但馬信用金庫は、2026年3月期に13年ぶりの最終赤字となりました。

金利上昇によって国債や地方債などの価格が下落し、多額の債券売却損を計上したことが大きな要因です。

信用金庫によって、

貸出中心
債券運用中心

など資産運用の構成は異なります。

そのため、

「信用金庫すべてが同じ程度危ない」

という意味ではありません。

赤字=破綻ではない

ここが最も重要です。

信用金庫が赤字になったことと、

信用金庫が破綻したこと

はまったく別です。

企業でも、

ある年度に赤字になった

からといって、その会社がすぐ倒産するわけではありません。

金融機関も同じで、

自己資本
保有資産
貸出債権
流動性
収益力

などを総合的に見て経営状態を判断する必要があります。

したがって、

「信用金庫が赤字」というニュースだけを見て、預金をすぐ全部引き出さなければならない

ということではありません。

信用金庫の預金は保護される?

はい。

日本国内に本店を置く信用金庫は、

預金保険制度

の対象です。

金融機関が万一破綻した場合、預金の種類によって一定範囲が保護されます。

一般的な、

普通預金
定期預金
定期積金

などの預金保険対象商品では、

1金融機関につき
預金者1人あたり
元本1000万円まで+破綻日までの利息等

が保護されます。

1000万円なら全部戻る?

預金保険制度の対象となる一般預金等であれば、

元本1000万円まで

と、

その利息等

が保護されます。

たとえば信用金庫に、

普通預金500万円
定期預金300万円

を同じ名義で持っている場合、

合計800万円

です。

1000万円以内なので、預金保険制度の保護範囲に収まります。

1200万円預けていたら?

同じ信用金庫に、

1200万円

の預金があるとします。

一般預金等の場合、

元本1000万円+その利息等

までは保護対象です。

残りの、

200万円

については全額保護が保証されるわけではありません。

金融機関が実際に破綻した場合、残余財産の状況などに応じて支払われるため、一部が戻らない可能性があります。

複数口座なら1000万円ずつ保護される?

同じ信用金庫なら、口座を分けても保護額が増えるわけではありません。

たとえば同じ信用金庫で、

普通預金700万円
定期預金700万円

を持っていた場合、

合計1400万円

として計算されます。

「普通預金1000万円+定期預金1000万円」

のように口座ごとに1000万円ずつ保護されるわけではありません。

基準は、

1預金者
1金融機関

です。

支店を分ければ2000万円保護される?

これも違います。

同じ信用金庫なら、

A支店
B支店

に分けても同じ金融機関として合算されます。

たとえば、

A支店に800万円
B支店に800万円

なら、

合計1600万円

として計算されます。

支店ごとに1000万円ではありません。

別の信用金庫なら?

別の金融機関なら、それぞれで1000万円までが保護対象になります。

たとえば、

A信用金庫 1000万円
B信用金庫 1000万円

なら、

それぞれ別の金融機関として預金保険制度が適用されます。

そのため多額の現金を預けている人は、

複数の金融機関に分散する

という方法もあります。

銀行と信用金庫で保護額は違う?

基本的な預金保険制度の保護範囲は同じです。

国内に本店のある、

銀行
信用金庫
信用組合
労働金庫

などは預金保険制度の対象です。

一般預金等については、

1金融機関・預金者1人あたり元本1000万円まで+利息等

という基本ルールになります。

つまり、

「銀行なら安全だけど信用金庫は預金保護がない」

ということではありません。

1000万円を超えていても全額保護される預金がある?

あります。

一定の条件を満たす、

決済用預金

は全額保護されます。

決済用預金とは、

・無利息
・要求払い
・決済サービスを提供できる

という3つの条件を満たす預金です。

代表例として、

当座預金

や条件を満たす無利息型普通預金などがあります。

決済用預金なら、金融機関が破綻しても全額保護されます。

普通預金は全部1000万円まで?

利息が付く通常の普通預金は一般預金等に分類され、

1000万円まで+利息等

が基本です。

一方、

無利息型で決済用預金の条件を満たす普通預金

なら全額保護される場合があります。

同じ「普通預金」でも商品によって違うため、1000万円を超える資金を置く場合は金融機関に確認すると安心です。

外貨預金は保護される?

外貨預金は原則として、

預金保険制度の対象外

です。

たとえば信用金庫や銀行で、

米ドル預金
ユーロ預金

などを持っていても、円建て普通預金や定期預金と同じ1000万円保護が適用されるわけではありません。

外貨預金を利用する人は注意が必要です。

信用金庫が破綻したらすぐお金を失う?

預金保険制度対象の預金については、法律に基づいた預金者保護の仕組みがあります。

そのため、

金融機関が破綻
=預金がすべてゼロ

というわけではありません。

また実際の金融機関の破綻処理では、他の金融機関への事業譲渡などによって預金契約が引き継がれる場合もあります。

1000万円以上ある人はどうすればいい?

多額の預金を持っている場合には、

複数の金融機関へ分散する

方法があります。

たとえば2000万円の現金なら、

A信用金庫 1000万円
B銀行 1000万円

などと分ければ、それぞれ預金保険の保護範囲内に収めやすくなります。

ただし、

生活費
投資資金
住宅購入資金

など資金の用途によって最適な置き場所は異なります。

単純に1000万円を超えたら必ず移動しなければならないわけではありません。

信用金庫から今すぐ預金を引き出すべき?

今回のニュースだけを理由に、すぐに全額引き出す必要があるとはいえません。

重要なのは、

自分が利用している金融機関が赤字なのか
預金額はいくらか
預金保険制度の対象商品なのか

を分けて考えることです。

「全国17信用金庫が赤字」

というニュースは、

自分の利用している信用金庫が赤字

という意味ではありません。

利用している信用金庫の経営状態を確認する方法

各信用金庫は、

ディスクロージャー誌
決算情報
自己資本比率
経営情報

などを公表しています。

信用金庫の公式サイトで、

「決算」
「ディスクロージャー」

などを検索すると確認できます。

特に見る項目としては、

当期純利益
自己資本比率
有価証券の評価損益
不良債権比率

などがあります。

自己資本比率が高ければ絶対安全?

自己資本比率は金融機関の健全性を見る重要な指標の一つですが、

自己資本比率だけで安全性を判断できるわけではありません。

金融機関の経営には、

貸出先の信用状況
有価証券運用
預金流出
市場金利
地域経済

など多くの要因が関係します。

複数の情報を合わせて確認することが重要です。

なぜ信用金庫は債券を多く持っている?

信用金庫は地域の個人や企業から多くの預金を集めています。

しかし地域によっては、

預金として集まるお金

に対して、

企業や個人への貸出需要

が十分ではない場合があります。

その場合、余った資金を、

国債
地方債
その他の有価証券

で運用します。

長期間の超低金利時代には、こうした債券運用が多くの信用金庫で行われてきました。

ところが金利が上昇すると、低金利時代に購入した債券の価格が下がります。

これが現在、一部の信用金庫の負担になっています。

金利上昇は銀行にはプラスなのに信金にはマイナス?

必ずしもどちらか一方ではありません。

金利が上昇すると、

貸出金利が上がる
→金融機関の利息収入増加要因

になります。

一方で、

既に持っている債券価格が下がる
→含み損・売却損増加要因

にもなります。

どちらの影響が大きいかは、

貸出の割合
債券保有額
保有債券の期間
預金金利

などによって異なります。

信用金庫の赤字は預金金利にも影響する?

赤字になった信用金庫が必ず預金金利を下げるということではありません。

預金金利は、

日銀の政策金利
市場金利
他金融機関との競争
資金調達状況

などで決まります。

ただし金融機関の収益環境が悪化すれば、経営戦略や商品条件に影響する可能性はあります。

中小企業への融資はどうなる?

信用金庫は地域の中小企業や個人事業主への融資で重要な役割を担っています。

財務状況が悪化した信用金庫では、

融資姿勢が慎重になる

可能性があります。

ただし、

17信用金庫が赤字
=全国の信用金庫が一斉に融資を減らす

という意味ではありません。

地域や各信用金庫の経営状況によって異なります。

信用金庫と銀行は何が違う?

信用金庫は、

地域の中小企業や住民を中心にサービスを提供する協同組織金融機関

です。

一方、銀行は株式会社として運営されます。

信用金庫は営業地域や融資対象などに一定の制限があり、地域密着型の金融機関としての役割を持っています。

ただし預金者の立場から見ると、

普通預金
定期預金
振込
住宅ローン

など多くのサービスは銀行とよく似ています。

よくある質問

信用金庫が赤字になると預金はなくなる?

赤字になっただけで預金がなくなるわけではありません。

赤字と金融機関の破綻は別です。

信用金庫の預金は1000万円まで保護される?

預金保険対象の一般預金等なら、1金融機関につき預金者1人あたり元本1000万円までとその利息等が保護されます。

1500万円預けていたら?

一般預金等なら、1000万円までとその利息等が保護対象です。

1000万円を超える500万円については全額保護が保証されません。

支店を分ければ保護額は増える?

増えません。

同じ信用金庫なら複数支店の預金を合算して計算します。

別の銀行なら?

別の金融機関なら、それぞれ1金融機関あたり1000万円までの保護が適用されます。

決済用預金とは?

無利息・要求払い・決済サービス提供の3条件を満たす預金です。

対象となる決済用預金は全額保護されます。

外貨預金も保護される?

外貨預金は預金保険制度の対象外です。

今すぐ信用金庫からお金を引き出した方がいい?

今回のニュースだけで一律に判断する必要はありません。

利用している信用金庫の経営状態、自分の預金額、預金商品の種類を確認しましょう。

まとめ

2026年3月期は、全国254の信用金庫のうち17庫が最終赤字となりました。

前の期の5庫から増加しており、金利上昇による債券価格の下落や売却損が大きな要因となっています。

ただし、

信用金庫が赤字
=破綻
=預金がなくなる

ということではありません。

日本国内の信用金庫は預金保険制度の対象で、一般的な普通預金や定期預金などは、

1金融機関
預金者1人あたり
元本1000万円まで+破綻日までの利息等

が保護されます。

一方、1000万円を超える部分は全額保護されるとは限りません。

多額の預金がある人は、

自分の預金残高
預金商品の種類
複数金融機関への分散

などを確認しておくと安心です。

今回のニュースで最も重要なのは、

「17信用金庫が赤字になった」

という事実と、

「預金者の預金保護制度」

を分けて考えることです。

【参考・出典】

金融庁
「預金保険制度」

金融庁
「金融サービス利用者相談室」

預金保険機構
「預金保険制度について」

但馬信用金庫
「2026年3月期決算の概要」

日本経済新聞
「全国17信用金庫が赤字に 金利上昇で債券含み損、中小・零細企業に逆風」

タイトルとURLをコピーしました