ソフトバンクグループの第70回無担保社債が注目されています。
利率の仮条件は年4.30~4.90%と、現在の個人向け国債より高い水準です。
では、
「100万円を運用するならソフトバンク社債と個人向け国債、どちらがいい?」
のでしょうか。
結論からいうと、
利息の高さを重視するならソフトバンク社債、安全性や途中換金のしやすさを重視するなら個人向け国債
という違いがあります。
ただし、ソフトバンク社債は預金ではなく、元本保証もありません。
一方、個人向け国債は金利こそ低めですが、国が発行し、発行から1年経過後は一定の条件で中途換金できます。
この記事では、100万円を投資した場合の利息、安全性、最低購入金額、途中換金などを比較します。
※本記事は2026年8月26日時点の公表情報をもとにしています。ソフトバンクグループ第70回社債の最終的な利率は2026年9月4日に決定される予定です。
ソフトバンク社債と個人向け国債を比較
まず主な違いを確認します。
| 比較項目 | ソフトバンク第70回社債 | 個人向け国債 変動10年 |
|---|---|---|
| 発行者 | ソフトバンクグループ | 日本国 |
| 期間 | 7年 | 10年 |
| 金利 | 年4.30~4.90%(仮条件) | 年1.87%(初回) |
| 金利タイプ | 固定予定 | 半年ごとに変動 |
| 最低購入額 | 100万円 | 1万円 |
| 利払い | 年2回 | 年2回 |
| 中途換金 | 市場価格で売却 | 発行1年後から可能 |
| 元本保証 | なし | 一定条件で国が額面で買い取り |
| 主なリスク | 発行企業の信用リスク・価格変動 | 金利変動など |
最大の違いは、
「誰にお金を貸すのか」
です。
ソフトバンク社債はソフトバンクグループにお金を貸す商品。
個人向け国債は日本国にお金を貸す商品です。
ソフトバンクグループ第70回社債とは?
今回発行されるのは、
ソフトバンクグループ株式会社 第70回無担保普通社債
です。
愛称は、
「福岡ソフトバンクホークスボンド」
となっています。
2026年8月24日時点で公表されている主な条件は、
・発行額:1兆円
・期間:7年
・利率:年4.30~4.90%(仮条件・税引前)
・最低購入額:100万円
・100万円単位で購入
・利払日:年2回
・発行日:2026年9月17日
・満期:2033年9月16日
です。
最終的な利率は2026年9月4日に決定される予定です。
個人向け国債の金利はいくら?
2026年8月募集分の個人向け国債は、
変動10年
年1.87%
固定5年
年2.06%
固定3年
年1.71%
となっています。
このうち「変動10年」は半年ごとに適用金利が変わります。
金利が上昇すれば、将来受け取る利息も増える可能性があります。
一方、固定5年・固定3年は購入時の金利が満期まで変わりません。
100万円ならソフトバンク社債の利息はいくら?
ソフトバンク第70回社債の利率はまだ確定していません。
仮条件の下限である年4.30%の場合、
100万円×4.30%
=年間43,000円(税引前)
となります。
上限の年4.90%なら、
100万円×4.90%
=年間49,000円(税引前)
です。
利子には通常20.315%の税金がかかります。
年4.30%の場合
税引前
43,000円
税引後
約34,265円
年4.90%の場合
税引前
49,000円
税引後
約39,046円
です。
つまり100万円を1年間保有した場合、現在の仮条件なら、
税引後で年間約3万4,000~3万9,000円
の利息になる計算です。
※実際の受取額は利払期間などによって異なる場合があります。
個人向け国債なら100万円の利息はいくら?
同じ100万円で比較します。
変動10年 年1.87%
税引前
100万円×1.87%
=18,700円
税引後は、
約14,901円
です。
固定5年 年2.06%
税引前
100万円×2.06%
=20,600円
税引後は、
約16,415円
です。
固定3年 年1.71%
税引前
100万円×1.71%
=17,100円
税引後は、
約13,626円
です。
100万円の利息を比較すると?
現在の金利で単純比較すると、
| 商品 | 金利 | 年間利息(税引前) | 税引後の概算 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク社債 | 4.30% | 43,000円 | 約34,265円 |
| ソフトバンク社債 | 4.90% | 49,000円 | 約39,046円 |
| 個人向け国債 変動10年 | 1.87% | 18,700円 | 約14,901円 |
| 個人向け国債 固定5年 | 2.06% | 20,600円 | 約16,415円 |
| 個人向け国債 固定3年 | 1.71% | 17,100円 | 約13,626円 |
利息だけを比較すれば、ソフトバンク社債の方がかなり高くなります。
たとえば個人向け国債「変動10年」と比較すると、
ソフトバンク社債4.30%
-個人向け国債1.87%
=2.43ポイント
の差があります。
ただし、この金利差には理由があります。
なぜソフトバンク社債の金利は高い?
債券では一般的に、
信用リスクが高いほど、高い金利が設定される傾向
があります。
個人向け国債は日本政府が発行します。
一方、ソフトバンク社債は企業であるソフトバンクグループが発行します。
そのため投資家は、国債より高い信用リスクを負う代わりに、高い利息を受け取れる可能性があります。
単純に、
「4.9%の方が1.87%より得」
というだけでは判断できません。
ソフトバンク社債は元本保証?
元本保証ではありません。
満期まで保有し、ソフトバンクグループが予定通り元本と利息を支払えば、額面金額が償還されます。
しかし、発行企業の財務状況が悪化するなどして元本や利息の支払いが行われなくなる信用リスクがあります。
また、満期前に売却する場合は市場価格での売却になるため、
100万円で購入した社債が100万円未満でしか売れない
可能性もあります。
銀行預金のように預金保険制度で保護される商品でもありません。
個人向け国債は元本割れしない?
個人向け国債は、発行後1年が経過すれば国による中途換金制度を利用できます。
中途換金すると、
直前2回分の利子相当額
が中途換金調整額として差し引かれます。
そのため「いつ換金しても利息まで満額受け取れる」という商品ではありません。
一方で、財務省は個人向け国債について、中途換金時も額面金額で国が買い取る仕組みとして案内しています。
値下がりした市場価格で売る必要がないのが大きな特徴です。
途中でお金が必要になったら?
ここも重要な違いです。
ソフトバンク社債
7年満期ですが、途中で売却することはできます。
ただし、
購入した100万円で売れるとは限りません。
市場金利やソフトバンクグループの信用状況によって債券価格が変動します。
たとえば急にお金が必要になり、
100万円で購入した社債を95万円で売却
ということになる可能性もあります。
個人向け国債
原則として発行後1年間は換金できません。
1年経過後は中途換金制度を利用できます。
中途換金調整額は差し引かれますが、社債のように市場価格を見ながら売る必要はありません。
そのため、
途中で資金が必要になる可能性がある人
には個人向け国債の方が仕組みを理解しやすいでしょう。
最低購入金額も大きく違う
ソフトバンク第70回社債は、
100万円以上、100万円単位
です。
つまり、
50万円だけ買う
150万円買う
ということはできません。
100万円
200万円
300万円
という単位になります。
一方、個人向け国債は、
1万円から1万円単位
で購入できます。
10万円、30万円、50万円など少額から始められます。
期間はどちらが長い?
ソフトバンク第70回社債は、
7年
です。
個人向け国債は、
変動10年
固定5年
固定3年
の3種類があります。
「7年間使わない100万円なのか」
という点はソフトバンク社債を買う前に確認しておきたいポイントです。
住宅購入、教育費、車の購入など数年以内に使う予定のお金なら、期間だけでなく途中売却リスクも考える必要があります。
金利上昇に強いのは?
個人向け国債の「変動10年」は半年ごとに金利が見直されます。
今後さらに市場金利が上昇すれば、適用金利も上昇する可能性があります。
一方、ソフトバンク第70回社債は最終的な条件が決定すれば、基本的にその利率が続きます。
つまり、
今の高い金利を固定したい
→ソフトバンク社債や固定金利型の商品
今後さらに金利が上がる可能性も取り込みたい
→個人向け国債 変動10年
という違いがあります。
安全性を重視するならどっち?
安全性を最優先するなら、一般的には個人向け国債の方が考えやすい商品です。
理由は、
・発行者が日本国
・中途換金制度がある
・1万円から買える
ためです。
一方、ソフトバンク社債は企業の信用リスクを負う代わりに、個人向け国債より高い利率が設定されています。
「利率が高いから安全性も高い」
という意味ではありません。
利息を重視するなら?
現在の仮条件だけを比較すれば、
ソフトバンク社債
です。
100万円の場合、
ソフトバンク社債
税引前約4万3,000~4万9,000円
個人向け国債 変動10年
税引前約1万8,700円
なので、年間の利息には大きな差があります。
ただし、高い利息と引き換えに信用リスクや途中売却時の価格変動リスクを負うことになります。
100万円全部をソフトバンク社債に入れていい?
一つの企業の社債に資金を集中させる必要はありません。
たとえば100万円だけでは分けられませんが、投資資金が200万円以上ある場合なら、
ソフトバンク社債100万円
個人向け国債100万円
のように分ける方法もあります。
また、
預金
個人向け国債
社債
投資信託
など複数の商品に分散する考え方もあります。
特に生活費や近い将来使う予定のお金まで、利率だけを理由に社債へ回すのは慎重に考えたいところです。
ソフトバンク社債が向いている人
次のような人は検討しやすいでしょう。
・7年間使う予定のない資金がある
・100万円以上投資できる
・個人向け国債より高い利息を重視する
・企業の信用リスクを理解している
・途中で売却する可能性が低い
ただし、条件に当てはまるからといって必ず購入した方がよいわけではありません。
個人向け国債が向いている人
一方、
・元本の安全性をより重視したい
・1万円から少額で始めたい
・将来途中換金する可能性がある
・企業1社の信用リスクを取りたくない
・今後の金利上昇にも対応したい
という人には個人向け国債が選択肢になります。
特に「変動10年」は半年ごとに金利が見直されるのが特徴です。
よくある質問
ソフトバンク社債と個人向け国債ではどちらの金利が高い?
2026年8月26日時点では、ソフトバンク第70回社債の仮条件は年4.30~4.90%です。
8月募集の個人向け国債は、変動10年が年1.87%、固定5年が年2.06%、固定3年が年1.71%です。
現在の金利だけならソフトバンク社債の方が高くなっています。
ソフトバンク社債を100万円買うと利息はいくら?
最終利率はまだ決まっていません。
仮条件の4.30~4.90%なら、年間の税引前利息は約43,000~49,000円です。
税引後では概算で約34,265~39,046円です。
個人向け国債100万円の利息はいくら?
2026年8月募集の変動10年、初回年1.87%なら、1年間の税引前利息は18,700円、税引後で約14,901円です。
金利は半年ごとに変動します。
ソフトバンク社債は途中で売れる?
売却できますが、市場価格での売却となります。
購入価格を下回る可能性があります。
個人向け国債はいつでも換金できる?
原則として発行後1年間は中途換金できません。
1年経過後は国による中途換金制度を利用できます。
ソフトバンク社債は預金と同じ?
違います。
銀行預金ではなく債券であり、元本保証ではありません。
預金保険制度の対象でもありません。
まとめ
ソフトバンク第70回社債と個人向け国債では、金利だけを見ると大きな差があります。
現在の条件では、
ソフトバンク第70回社債
年4.30~4.90%(仮条件)
に対し、
個人向け国債
変動10年 年1.87%
固定5年 年2.06%
固定3年 年1.71%
です。
100万円を運用した場合も、ソフトバンク社債の方が受け取れる利息は大きくなります。
しかし重要なのは、
高い金利には、その分だけ引き受けるリスクがある
という点です。
利息の高さを重視するならソフトバンク社債。
元本の安全性や途中換金のしやすさを重視するなら個人向け国債。
という違いがあります。
どちらかを金利だけで選ぶのではなく、
・いつ使うお金か
・100万円を7年間置いておけるか
・信用リスクを取れるか
・途中換金する可能性があるか
まで含めて比較することが大切です。
また、ソフトバンク第70回社債の最終利率は2026年9月4日に決定される予定です。
利率が確定した後は、100万円を投資した場合の利息も改めて確認するとよいでしょう。
【参考・出典】
ソフトバンクグループ株式会社
「第70回無担保普通社債の発行に関するお知らせ」
財務省
「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」
財務省
「個人向け国債 商品概要」


