2026年7月の全国消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で1.9%上昇しました。
生鮮食品を除く総合指数は1.8%上昇、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は1.9%上昇しています。
ただし、
「CPIが1.9%上がった」
=
「自分の生活費も必ず1.9%増えた」
という意味ではありません。
それでも家計への影響をイメージするため、仮に月30万円の支出全体が1.9%上がったとすると、
月5,700円
年間6万8,400円
の負担増に相当します。
この記事では、2026年7月のCPIをニュースの数字だけで終わらせず、「自分の家計ではいくら違うのか」という視点で確認します。
※本記事は2026年9月7日時点で確認できる総務省統計局の2026年7月分CPIをもとにしています。
2026年7月の消費者物価指数は1.9%
総務省統計局が公表した2026年7月の全国CPIは次の通りです。
総合
前年同月比:+1.9%
指数:102.0
生鮮食品を除く総合
前年同月比:+1.8%
指数:102.1
生鮮食品・エネルギーを除く総合
前年同月比:+1.9%
指数:102.1
2025年を100とした新しい基準による数字です。
総合指数の前年同月比は、2026年6月の1.6%から7月は1.9%へ上昇幅が0.3ポイント拡大しました。
生鮮食品を除く指数も、
6月:+1.6%
7月:+1.8%
と0.2ポイント拡大しています。
1.9%上昇すると家計はいくら増える?
CPIの「1.9%」を家計の金額に置き換えてみます。
実際には家庭によって買う商品やサービスが違うため、これはあくまで単純計算です。
月20万円使う家庭
20万円 × 1.9%
=3,800円
1年間では、
3,800円 × 12カ月
=4万5,600円
です。
月30万円使う家庭
30万円 × 1.9%
=5,700円
1年間では、
5,700円 × 12カ月
=6万8,400円
です。
月40万円使う家庭
40万円 × 1.9%
=7,600円
1年間では、
7,600円 × 12カ月
=9万1,200円
です。
まとめると、
月20万円 → 月3,800円・年4万5,600円
月30万円 → 月5,700円・年6万8,400円
月40万円 → 月7,600円・年9万1,200円
となります。
ただし、これは支出全体が一律1.9%上がったと仮定した場合です。
実際の家計負担は、何に多くお金を使っているかによって変わります。
「物価1.9%」なのにスーパーではもっと高く感じる理由
2026年7月は、食料全体が前年同月比3.5%上昇しました。
さらに、
生鮮食品:+7.0%
生鮮食品を除く食料:+3.0%
です。
総合CPIの1.9%より高くなっています。
そのため、食費の割合が大きい家庭ほど、
「ニュースでは1.9%なのに、買い物ではもっと上がっている気がする」
と感じても不思議ではありません。
実際に7月の主な品目を見ると、
生鮮魚介:+12.4%
緑茶:+29.2%
ハンバーガー(外食):+13.2%
輸入牛肉:+11.0%
など、1.9%を大きく上回っているものがあります。
CPIは多くの商品・サービスをまとめた平均なので、自分がよく買う商品の値上がり率とは一致しません。
食費が多い家庭ほど「自分の物価上昇率」は高くなることも
たとえば同じ月30万円を使う家庭でも、
A家庭
食費が月5万円
B家庭
食費が月10万円
では、食料品の値上がりが家計に与える影響は違います。
反対に、値下がりしている商品・サービスへの支出が多ければ、総合CPIより負担増が小さくなる場合もあります。
つまり家計で重要なのは、
「日本全体の物価が1.9%上がった」
という数字だけではありません。
自分が毎月何にいくら使っているのかを見る必要があります。
エネルギー価格はどうなった?
2026年7月のエネルギー価格は前年同月比0.6%上昇しました。
ただし中身を見ると、すべて同じ方向に動いているわけではありません。
電気代:-0.1%
都市ガス代:-1.1%
プロパンガス:+6.5%
灯油:+15.7%
ガソリン:-1.8%
となっています。
たとえば車をよく利用する家庭と、灯油を多く使用する家庭では感じる物価負担が違います。
「エネルギー」という大きな項目だけでなく、自分が実際に支払っている料金を見ることが大切です。
通信費や保険料も上がっている
家計への影響は食品や光熱費だけではありません。
7月の主な項目では、
自動車保険料(任意):+5.9%
通信料(携帯電話):+4.6%
なども前年より上昇しています。
食費だけ節約していても、
保険
通信
住宅
車
などの固定費が上がれば、家計全体の負担は増えます。
CPIを見るときは、「スーパーの商品が高いか」だけではなく、毎月自動的に出ていく固定費も確認しておきたいところです。
自分の「家計物価上昇率」を簡単に確認する方法
CPIより役立つのが、自分の実際の支出を前年と比較することです。
難しい計算は必要ありません。
たとえば2025年7月の生活費が28万円で、2026年7月が29万円だった場合、
増加額は1万円です。
1万円 ÷ 28万円 × 100
=約3.6%
となります。
この家庭では、単純な家計支出ベースでは約3.6%増えたことになります。
全国CPIは1.9%でも、自分の生活ではそれ以上に負担が増えている可能性があります。
逆に支出がほとんど増えていない家庭もあります。
家計簿やクレジットカードの利用明細があれば、
前年同月の支出
↓
今年同月の支出
を比べてみるだけでも、自分の物価負担が見えやすくなります。
給料が1.9%上がれば生活は変わらない?
必ずしもそうではありません。
重要なのは、
収入の増加額
-
生活費の増加額
です。
たとえば月給30万円が1.9%上がれば、単純計算では月5,700円増えます。
一方、毎月の生活費も5,700円増えていれば、増えた収入の多くが物価上昇で消えることになります。
さらに税金や社会保険料などもあるため、
「給与の上昇率がCPIと同じだから問題ない」
とは単純には判断できません。
見るべきなのは率だけではなく、実際の手取りと支出です。
2026年7月からCPIは「2025年基準」に変更
今回のCPIでは、基準改定にも注意が必要です。
総務省統計局は2026年8月、消費者物価指数を2020年基準から2025年基準へ切り替えました。
CPIでは、家庭がどの商品やサービスにどの程度お金を使うかを「ウエイト」として指数に反映しています。
しかし生活スタイルは変わります。
そこで原則5年ごとに基準を見直します。
2025年基準では2025年平均を100として計算し、2025年1月から2026年6月までについても新基準による遡及結果が公表されています。
今後2026年の物価推移を見るときは、新しい2025年基準の数値で比較すると分かりやすいでしょう。
CPIを見たあと家計で確認したい3つ
物価指数を見てすぐに投資商品を買ったり、大きく生活を変えたりする必要はありません。
まず次の3つだけ確認してみましょう。
1. 去年より食費はいくら増えた?
月額ではなく、前年同月との金額差を見ると分かりやすくなります。
2. 固定費が増えていない?
スマホ料金、保険、電気・ガス、住宅費などを確認します。
月500円の値上げでも年間では6,000円です。
複数の固定費が同時に上がれば影響は大きくなります。
3. 手取りは生活費以上に増えている?
給与額ではなく、実際に使える手取りと支出を比較します。
この3つを見るだけでも、全国CPIより「自分の家計にとっての物価高」が分かりやすくなります。
CPI上昇と預金金利の関係は?
物価が上がると、同じ100万円でも買える商品やサービスの量が減ることがあります。
ただし、
「CPIが上がったから投資をしなければならない」
という意味ではありません。
生活費や緊急時のお金は、安全に確保しておくことが重要です。
そのうえで余裕資金について、
普通預金
定期預金
個人向け国債
などの金利を比較する方法があります。

CPIが上がれば日銀は利上げする?
CPIは日銀が金融政策を判断する重要な材料の一つですが、
CPIが2%になった
=
自動的に利上げ
ではありません。
物価だけでなく、
賃金
景気
経済活動
物価の先行き
などを総合して判断します。

よくある質問
2026年7月の消費者物価指数は何%?
全国の総合指数は前年同月比1.9%上昇しました。
生鮮食品を除く総合は1.8%、生鮮食品とエネルギーを除く総合は1.9%です。
CPIが1.9%なら生活費も1.9%増える?
必ずしも増えません。
家庭によって食費、住宅費、車、光熱費などの支出割合が違うためです。
次の全国CPIはいつ?
2026年8月分の全国消費者物価指数は、2026年9月18日に公表予定です。
まとめ
2026年7月の全国消費者物価指数は前年同月比1.9%上昇しました。
生鮮食品を除く総合は1.8%、生鮮食品とエネルギーを除く総合は1.9%です。
仮に生活費全体が同じ1.9%上昇したとすると、
月20万円 → 年4万5,600円増
月30万円 → 年6万8,400円増
月40万円 → 年9万1,200円増
に相当します。
ただし、これはあくまで単純計算です。
7月は食料全体が3.5%、生鮮食品が7.0%上昇するなど、項目によって物価の動きには大きな差があります。
全国の「1.9%」を見るだけではなく、
去年より食費はいくら増えたか
固定費はいくら増えたか
手取りは生活費以上に増えているか
を確認すると、自分の家計への影響がより具体的に分かります。
参考・出典
総務省統計局
「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年7月分」
総務省統計局
「2025年基準改定について」
総務省統計局
「消費者物価指数に関するQ&A」


