電通総研の株式を、伊藤忠商事の子会社が1株2880円でTOB(株式公開買付け)することが発表されました。
TOBが成立した場合、電通総研は最終的に上場廃止となる予定です。
電通総研の株を持っている人にとって気になるのは、
「2880円で売れるということ?」
「100株ならいくら?」
「TOBに応募しなかったらどうなる?」
「配当はもらえる?」
「上場廃止になったら株はどうなる?」
といった点でしょう。
先にポイントをまとめると、
・TOB価格は1株2880円
・8月27日の終値2739円に対して約5.15%のプレミアム
・100株ならTOB価格ベースで28万8000円
・競争法上の手続きを経て11月上旬ごろのTOB開始を目指す
・TOB成立後は株式併合などを経て上場廃止予定
・2027年3月ごろまでの完全非公開化を予定
・TOB成立を条件に2026年12月期の期末配当は行わない予定
です。
この記事では、電通総研のTOBで株主がどうなるのかを整理します。
※本記事は2026年8月28日時点の公表情報をもとにしています。
電通総研に何が起きた?
電通総研は8月28日、伊藤忠商事の子会社によるTOBについて賛同し、株主に応募を推奨することを決議したと発表しました。
TOBは、
株式市場で少しずつ株を買うのではなく、あらかじめ価格や期間などを示して株主からまとめて株式を買い付ける仕組み
です。
今回の目的は、電通総研を非公開化することです。
TOBが成立した後は、株式併合などの手続きを経て、電通総研株は上場廃止となる予定です。
TOB価格はいくら?
公開買付価格は、
1株2880円
です。
8月27日の電通総研株の終値は、
2739円
でした。
差額は、
2880円-2739円
=141円
です。
終値に対して約5.15%高い価格が設定されています。
100株持っていたらいくら?
日本株の一般的な売買単位である100株を持っている場合、
2880円×100株
=28万8000円
です。
8月27日の終値2739円で計算すると、
2739円×100株
=27万3900円
なので、
TOB価格との差は1万4100円
となります。
ただし、これは税金や手数料などを考慮しない単純計算です。
500株なら?
500株の場合、
2880円×500株
=144万円
です。
1000株なら、
2880円×1000株
=288万円
となります。
実際の利益がいくらになるかは、自分が株を購入した価格によって変わります。
TOBはいつ始まる?
現時点では、すぐにTOBが始まるわけではありません。
各国の競争法に基づく許認可取得などを経て、
2026年11月上旬ごろ
の開始を目指しています。
そのため、8月28日時点ではTOBへの応募期間はまだ始まっていません。
正式な開始日、応募期限、公開買付代理人などは今後の発表を確認する必要があります。
株主は必ずTOBに応募しないといけない?
必ず応募しなければならないわけではありません。
通常、株主には、
・市場で売却する
・TOBに応募する
・そのまま保有する
といった選択肢があります。
ただし今回のTOBは電通総研の非公開化を目的としているため、TOB成立後も株を持ち続けた場合、最終的には株式併合などによるスクイーズアウトの対象になる予定です。
つまり、
「上場廃止後もずっと普通の上場株として持ち続ける」
という形にはなりません。
TOBに応募しなかったら株はゼロになる?
上場廃止になったからといって、株の価値が突然ゼロになるという意味ではありません。
今回の計画では、TOB成立後に株式併合などを実施し、少数株主の株式を整理する手続きが予定されています。
その際の金銭交付については、今後公表される正式な手続き条件を確認する必要があります。
TOBに応募しない場合でも、
「放置したら株が消えて終わり」
という単純な仕組みではありません。
ただし、手続きが複雑になる可能性はあります。
電通グループはTOBに応募する?
電通グループは現在、電通総研株の約61.78%を保有しています。
今回、電通グループはTOBには応募せず、TOB成立後も株主として残る予定です。
最終的には、
電通グループ
+
伊藤忠側
のみが株主となる形を目指しています。
なぜ伊藤忠が買う?
伊藤忠商事はIT・DX分野を成長領域の一つとして位置付けています。
電通総研は企業向けのITサービスやシステム開発、コンサルティングなどを展開している企業です。
非公開化することで、上場会社として短期的な株価や利益を意識しながら経営するより、
伊藤忠グループとの連携
IT人材や顧客基盤の活用
DX事業の拡大
などを進めやすくする狙いがあります。
上場廃止はいつ?
TOB成立後、株式併合などによるスクイーズアウト手続きを実施し、
2027年3月ごろ
までの完全非公開化を目指しています。
ただし、TOBの開始・成立時期や各種手続きによってスケジュールが変わる可能性があります。
2026年12月期の配当はどうなる?
ここは株主にとって重要です。
電通総研は、
TOBが成立することを条件に、
2026年12月期の期末配当を行わない
としています。
つまり、
「TOB価格2880円に加えて期末配当も受け取れる」
と考えるのは注意が必要です。
TOB価格だけでなく、配当がなくなることも含めて判断する必要があります。
TOB価格より市場価格が高くなることはある?
あります。
TOB発表後、市場価格は通常TOB価格付近へ近づきやすくなります。
ただし、
他社による対抗TOBへの期待
TOB成立確率
市場全体の値動き
などによって、TOB価格を上回ったり下回ったりすることがあります。
「TOB価格が2880円だから、市場でも必ず2880円で売れる」
という意味ではありません。
TOB価格より安く市場で売る意味は?
すぐ現金化したい場合、市場で売る選択肢があります。
一方TOBに応募する場合は、
正式なTOB開始を待つ
指定された証券会社などで手続きをする
TOB成立を待つ
必要があります。
数十円程度の差なら、
価格差
手続き
現金化までの時間
を比較する人もいます。
NISAで保有している場合は?
NISA口座で電通総研株を持っている場合は、利用している証券会社にTOBの手続きを確認する必要があります。
公開買付代理人への移管が必要になるケースなどもあるため、
NISAのまま応募できるのか
口座移管が必要なのか
税務上どう扱われるのか
を証券会社の正式案内で確認しましょう。
自己判断で課税口座へ移す前に確認することが重要です。
今すぐ売るべき?
この記事では売買判断を推奨するものではありません。
確認すべきなのは、
TOB価格2880円
現在の市場価格
自分の購入価格
期末配当なし
TOB開始予定時期
上場廃止予定
です。
特に自分がいくらで買ったかによって、利益・損失は大きく変わります。
今後チェックする日程
今後は、
・競争法上の許認可
・正式なTOB開始日
・公開買付期間
・公開買付代理人
・TOB成立結果
・上場廃止日
を確認していく必要があります。
11月上旬ごろにTOBが始まる予定なので、正式発表が出た時点で条件を再確認しましょう。
よくある質問
電通総研のTOB価格はいくら?
1株2880円です。
100株ならいくら?
28万8000円です。
すぐTOBに応募できる?
まだです。
各国の競争法上の許認可などを経て、2026年11月上旬ごろの開始を目指しています。
上場廃止になる?
TOBが成立すれば、株式併合などの手続きを経て上場廃止となる予定です。
配当はもらえる?
TOB成立を条件に、2026年12月期の期末配当は行わない予定です。
TOBに応募しなかったら?
TOB成立後のスクイーズアウト手続きの対象になる予定です。
詳細は今後の正式発表を確認する必要があります。
まとめ
電通総研は、伊藤忠商事の子会社によるTOBを受け入れ、非公開化する方針です。
ポイントは、
・TOB価格は1株2880円
・8月27日終値2739円より約5.15%高い
・100株なら28万8000円
・11月上旬ごろのTOB開始を目指す
・成立後は上場廃止予定
・2027年3月ごろまでの完全非公開化を予定
・TOB成立を条件に2026年12月期末配当はなし
です。
保有している人は、
TOBに応募するのか
市場で売るのか
正式な開始日まで待つのか
を判断する前に、今後公表されるTOBの正式条件を確認しましょう。
【参考・出典】
電通総研 公表資料
伊藤忠商事 公表資料
ロイター「電通総研、伊藤忠系が1株2880円でTOB 非公開化へ」


