株主優待の「3年以上継続保有」とは?株式分割したら保有期間はリセットされる?

株主優待を調べていると、

「100株以上を3年以上継続保有」

といった条件をよく見かけます。

では、この「3年以上」はいつから数えるのでしょうか。

また、

「株式分割があったら、それまでの保有期間はリセットされる?」
「途中で少し売ったらどうなる?」
「証券会社を変えたら継続保有にならない?」

と疑問に思う人も多いでしょう。

結論からいうと、

株主優待の継続保有期間は、単純に株を買った日から3年間数えるとは限りません。

多くの企業では、

・決められた基準日の株主名簿に載っていること
・同一株主番号で記録されていること
・必要な株数以上を継続して保有していること

などを条件にしています。

また、株式分割が行われても、それだけで継続保有期間が自動的にリセットされるとは限りません。

ただし、判定方法は会社ごとに異なります。

この記事では、「3年以上継続保有」の意味、株式分割時の扱い、途中売却、貸株、証券会社の変更など、長期保有型の株主優待で確認したいポイントを整理します。

※本記事は2026年8月26日時点の企業開示・株主優待制度の公表例をもとにしています。実際の判定条件は企業ごとに異なるため、必ず各社の最新IR・株主優待情報をご確認ください。

「3年以上継続保有」とは?

「3年以上継続保有」と聞くと、

2026年1月に株を買った

2029年1月になれば3年以上

と考えたくなります。

しかし、株主優待では必ずしもこのように購入日だけで判定するわけではありません。

多くの企業では、

株主名簿に何回連続して記載・記録されているか

によって継続保有期間を判定します。

たとえば、

3月31日
9月30日

の年2回を確認する会社なら、

同じ株主番号で一定回数以上、必要株数を保有していること

を「3年以上」とするケースがあります。

つまり重要なのは、

「自分は3年前に買ったから大丈夫」

ではなく、

その会社がどの基準日・どの株主名簿で判定しているか

です。

なぜ株主番号が重要?

株主名簿では、株主を識別するために株主番号が使われます。

長期保有型の優待では、

同一株主番号で連続して記録されていること

を条件にしている会社が少なくありません。

たとえば、

3月末
9月末
翌年3月末
翌年9月末

といった各基準日に同じ株主番号で記録されていれば、継続保有としてカウントされます。

一方、

途中で株主番号が変わった

場合には、継続保有と認められない可能性があります。

株式分割したら保有期間はリセットされる?

株式分割が行われただけで、

それまでの保有期間が必ずゼロになる

わけではありません。

株式分割とは、1株を複数の株に分ける仕組みです。

たとえば、

分割前100株

1株を5株に分割

分割後500株

となっても、株主そのものが変わったわけではありません。

そのため、企業側が株式分割後も継続保有制度を維持する場合、

分割前と分割後の株数を調整して判定する

ケースがあります。

実際に上場企業の開示では、

「株式分割後の基準に合わせて、分割前の保有株式数を読み替える」

といった取り扱いが示される例があります。

つまり、

株式分割=自動的に3年間がリセット

とは考えなくてよいケースが多いです。

ただし、最終的には各企業の優待規定を確認する必要があります。

分割前100株だった場合はどうなる?

たとえば、

1株→15株

の株式分割が行われたとします。

分割前に100株持っていれば、

100株×15
=1,500株

になります。

この場合、株主優待の必要株数についても企業が分割比率に合わせて変更することがあります。

たとえば分割前100株以上だった条件を、

分割後1,500株以上

に変更すれば、実質的な条件は同じです。

一方で企業によっては、

投資しやすくするために分割後の必要株数を100株にする

など、優待制度自体を変更する場合もあります。

したがって、

「分割したから株数が増えた=自動的に優待がもらえる」

とは限りません。

東京海上HDのケースは?

東京海上ホールディングスは2026年8月25日に、株式分割とあわせて新たな株主優待制度の導入が報じられています。

制度では、

100株以上を3年以上継続保有

する株主を対象とし、

初回
7,500円相当

その後も条件を満たして継続保有した場合
毎年2,500円相当

の電子マネーなどを贈呈する内容とされています。

また「3年以上継続保有」は、毎年3月31日および9月30日時点の株主名簿に、

同一株主番号
100株以上

で連続して一定回数記録されていることを条件とする形です。

つまり東京海上HDの場合も、

単純に購入日から3年

というだけではなく、

基準日の株主名簿

が重要になります。

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途中で株を売ったら3年間はリセット?

ここは企業ごとの条件をよく確認する必要があります。

たとえば、

100株以上を継続保有

が条件の場合、

200株→100株

なら必要株数を下回っていないため、継続保有として扱われる可能性があります。

一方、

100株→50株

となり、基準日に必要株数を下回れば、

継続保有条件を満たさなくなる

可能性があります。

さらに、

100株すべて売却

後日100株買い直す

という場合も注意が必要です。

基準日に株主名簿から外れたり、株主番号が変わったりすれば、それまでの継続保有記録が途切れる可能性があります。

基準日前に売って買い戻せば大丈夫?

「基準日のときだけ100株持っていればいい?」

と考える人もいるかもしれません。

しかし長期保有型の優待では、

複数回の基準日で連続して必要株数を保有していること

を確認するケースがあります。

たとえば、

3月末
9月末

の年2回を確認する制度なら、途中の基準日で条件を満たさなければ継続記録が途切れる可能性があります。

短期間だけ売却し、すぐ買い戻したとしても、

基準日をまたいでしまった

株主番号が変わった

などの理由で長期保有条件から外れることがあります。

1株だけ残しておけば継続保有になる?

これも企業によります。

以前から、

1株だけ保有して株主番号を維持し、権利確定時に100株へ増やす

という方法が話題になることがあります。

しかし、最近の長期保有優待では、

毎回の基準日に100株以上

など、必要株数まで明確に条件としている会社もあります。

その場合、

1株だけ保有

では条件を満たしません。

長期優待を目的にするなら、

「株主番号だけ残せばいい」

と考えず、

各基準日に何株必要なのか

まで確認する必要があります。

貸株サービスを使うとどうなる?

証券会社の貸株サービスを利用している人も注意が必要です。

貸株では、保有株を証券会社などへ貸し出します。

企業によっては、

貸株サービスの利用などによって株主番号が変更された場合、継続保有条件を満たさない可能性がある

と明記しているケースがあります。

証券会社によっては、

株主優待自動取得サービス

などを提供している場合もありますが、すべての長期優待条件が保証されるわけではありません。

3年以上など長期保有が条件の銘柄では、

貸株を設定する前に、

・株主番号が維持されるか
・長期保有判定に影響しないか
・優待権利取得設定だけで十分か

を証券会社と企業の両方で確認するのが安全です。

証券会社を変えたら継続保有はどうなる?

証券会社を変更しただけで、必ず継続保有がリセットされるわけではありません。

しかし、

株式を一度売却して別の証券会社で買い直す

場合と、

株式移管によって保有株を別の証券会社へ移す

場合では状況が異なります。

株式移管なら売却せずに株式を移せます。

ただし、株主番号の扱いや長期保有判定については企業ごとに異なる場合があるため、

「証券会社を変えても絶対に大丈夫」

とは言い切れません。

特に高額な長期保有優待を狙っている場合は、移管前に確認しておくと安心です。

NISA口座から課税口座へ移したら?

NISA口座か特定口座かという税務上の口座区分と、

株主名簿上の株主

は別の問題です。

そのため口座区分が変わっただけで、必ず株主優待の継続期間がリセットされるとは限りません。

ただし、

売却して買い直す

名義や登録情報が変わる

といった操作を伴う場合には注意が必要です。

株主優待目的なら、口座変更前に証券会社へ確認することをおすすめします。

引っ越しや氏名変更でも株主番号は変わる?

住所や氏名など登録情報を変更した場合、株主番号の扱いに影響する可能性があります。

特に、

結婚などによる氏名変更
転居
相続
証券口座の変更

などがある場合は、

長期保有型優待の判定に影響しないか

を確認しておくと安心です。

企業の株主名簿管理人や証券会社へ問い合わせれば確認できます。

3年以上は「7回記載」が多い?

年2回株主名簿を確認する企業では、

3年以上継続保有

の条件を、

同一株主番号で7回以上連続して記載・記録

とする例があります。

イメージすると、

1回目 3月末
2回目 9月末
3回目 翌年3月末
4回目 翌年9月末
5回目 翌々年3月末
6回目 翌々年9月末
7回目 3年後3月末

となります。

ただし、

年1回だけ確認する会社
四半期ごとに確認する会社
別の計算方法を採用する会社

もあります。

「3年=必ず7回」

ではありません。

自分が何年保有しているか確認する方法は?

証券会社の口座では、

購入日
取引履歴

を確認できます。

ただし、

株主優待上の継続保有期間

と購入日は必ずしも一致しません。

より確実に確認したい場合は、

企業のIRページ
株主優待制度の詳細
適時開示資料

などで、

「継続保有期間の定義」

を確認します。

それでも分からない場合は、

株主名簿管理人
企業のIR窓口

などへ問い合わせる方法があります。

株主優待狙いなら確認したい5項目

長期保有型の株主優待を狙う場合は、購入前に次の5点を確認しましょう。

1. 必要株数

100株なのか、500株なのか。

保有期間によって必要株数が変わる場合もあります。

2. 必要な保有期間

1年以上
3年以上
5年以上

など条件は企業ごとに異なります。

3. 判定基準日

3月末だけなのか、

3月末・9月末

など年2回なのかを確認します。

4. 同一株主番号が必要か

長期優待では非常に重要です。

企業の注意事項に、

「同一株主番号で連続して記載」

などと書かれていないか確認しましょう。

5. 株式分割時の扱い

分割後の必要株数だけでなく、

分割前の保有期間をどう判定するか

も確認します。

株式分割後に100株買えばすぐ長期優待?

基本的には、長期保有条件がある場合、

株式分割後に100株買っただけですぐ「3年以上」になるわけではありません。

たとえば、

100株以上を3年以上

が条件なら、基準日ごとの継続保有記録が必要です。

株式分割によって1株あたりの価格が下がり、

100株を買いやすくなる

ことはあります。

しかし、

買いやすくなること

長期優待の条件をすぐ満たすこと

は別です。

優待だけを目的に買ってもいい?

株主優待は魅力的ですが、

優待額だけで株を選ぶ

のは注意が必要です。

たとえば年間2,500円の優待があっても、

株価が5万円下落

すれば、優待額を大きく上回る損失になります。

株を購入するときは、

配当
業績
株価
優待
必要投資額
保有期間

などを合わせて確認することが大切です。

また株主優待制度は、

変更
縮小
廃止

される可能性もあります。

「3年間持てば必ず将来も同じ優待がもらえる」

とは限りません。

よくある質問

3年以上継続保有とは、買った日から3年?

必ずしもそうではありません。

企業が定めた基準日の株主名簿に、同一株主番号で一定回数以上記録されていることを条件とするケースがあります。

株式分割すると保有期間はリセットされる?

株式分割だけで自動的にリセットされるとは限りません。

分割前後の保有株数を調整して継続判定する企業もあります。

ただし、各社の制度を確認する必要があります。

途中で100株から50株に減らしたら?

100株以上が条件の場合、基準日時点で50株しかなければ継続保有条件から外れる可能性があります。

一度全部売って買い戻したら?

株主名簿から外れたり株主番号が変わったりすると、継続保有記録が途切れる可能性があります。

1株だけ残せば大丈夫?

企業によります。

毎回の基準日に100株以上など、必要株数を条件としている場合は1株だけでは対象になりません。

貸株を使っても大丈夫?

貸株によって株主番号が変わる場合などは、長期保有条件に影響する可能性があります。

対象企業と利用している証券会社の条件を確認しましょう。

証券会社を変更するとリセット?

単純な証券会社変更だけで必ずリセットされるわけではありません。

ただし売却・買い直しや株主番号の変更などが発生すると影響する可能性があります。

まとめ

株主優待の「3年以上継続保有」は、

単純に株を買った日から3年間

という意味とは限りません。

多くの長期保有型優待では、

・基準日の株主名簿
・同一株主番号
・必要株数
・連続記録回数

などを使って判定します。

また株式分割が行われても、

株式分割=保有期間リセット

とは限りません。

企業側が分割前後の株数を調整し、継続保有期間を引き継ぐケースもあります。

一方で、

必要株数を下回る
全部売却する
貸株などで株主番号が変わる

といった場合には、長期保有条件を満たさなくなる可能性があります。

長期優待を目的に株を買うなら、

「3年以上持っていれば大丈夫」

と考えるのではなく、

その企業が、

いつ
何株を
どの株主番号で
何回確認するのか

まで確認することが重要です。

【参考・出典】

各上場企業の株主優待制度・適時開示資料

東京証券取引所・各社適時開示資料

東京海上ホールディングス 株式・株主関連情報

各証券会社 株主優待・貸株制度案内

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