厚生年金はいくらもらえる?金額の計算方法と確認方法

厚生年金でもらえる金額は一律ではありません。現役時代の給与・賞与と厚生年金に加入していた期間によって決まり、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして受け取ります。

2026年度の国の標準モデルでは、平均標準報酬が賞与を含む月額換算で45.5万円、40年間就業した場合、夫婦2人分の老齢基礎年金を含めた年金額は月額23万7,279円です。ただし、これは夫婦2人を想定したモデル額であり、会社員本人が毎月23万円以上の厚生年金を受け取れるという意味ではありません。

自分が実際にいくら受け取れるかを知りたい場合は、「ねんきんネット」で年金見込額を確認するのが最も簡単です。現在の加入記録を使って、今の働き方を続けた場合や受給開始年齢を変えた場合の金額も試算できます。

厚生年金はいくらもらえる?

厚生年金の金額は、主に「加入期間」と「現役時代の報酬」で決まります。

老齢厚生年金は、老齢基礎年金を受け取れる人に厚生年金の加入期間がある場合、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして支給されます。給与が高く、加入期間が長いほど、基本的には受け取る老齢厚生年金も多くなります。

2026年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合月額70,608円です。厚生年金加入者は、この老齢基礎年金に報酬比例の老齢厚生年金などが加わります。

そのため、「厚生年金なら月○万円」と一律に決めることはできません。

2026年度の標準的な年金額はいくら?

厚生労働省・日本年金機構が示している2026年度の標準モデルは、月額237,279円です。

このモデルは、平均標準報酬が賞与を含む月額換算45.5万円で40年間働いた人の老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金を合わせた金額です。

内訳のモデルでは、

老齢基礎年金1人分:70,608円
老齢厚生年金:96,063円
配偶者の老齢基礎年金:70,608円

となり、合計237,279円です。

つまり、よくニュースなどで見る「厚生年金は月23万円」という数字は、会社員1人の厚生年金額ではなく、夫婦2人分の基礎年金まで含むモデル額である点に注意が必要です。

厚生年金の金額はどう決まる?

厚生年金の中心となるのは「報酬比例部分」です。

報酬比例部分は、厚生年金に加入していた期間と、その期間の給与・賞与をもとに計算されます。日本年金機構では、2003年3月以前と2003年4月以後の期間で計算方法を分けています。

2003年4月以後の加入期間については、基本的に次の考え方で計算します。

平均標準報酬額 × 5.481÷1,000 × 加入月数

ここでいう「平均標準報酬額」は単純な毎月の手取りや基本給ではありません。標準報酬月額と標準賞与額をもとに計算し、過去の報酬には現在の賃金・物価水準を反映するための再評価率も使われます。

そのため、自分で給与明細だけを使って正確な年金額を計算するのは簡単ではありません。

月収30万円なら厚生年金はいくら?

将来の金額をイメージするため、2003年4月以後の加入期間だけを使って単純化して考えてみます。

たとえば、平均標準報酬額を30万円、加入期間を40年(480カ月)と仮定すると、報酬比例部分の単純計算では年額約78万9,000円、月額では約6万5,800円となります。

2026年度の老齢基礎年金を満額受け取れると仮定すれば、合わせて月額では約13万6,000円が一つの目安になります。

ただし、これは仕組みを理解するための単純例です。実際には加入した時期、再評価率、賞与、経過的加算、加給年金、受給開始時期などによって金額が変わるため、実際の見込額とは一致しません。報酬比例部分の正式な計算方法は日本年金機構が定めています。

自分の厚生年金はいくら?確認方法は?

最も手軽なのは「ねんきんネット」で確認する方法です。

「ねんきんネット」では、自分の年金加入記録を確認できるほか、将来受け取る老齢基礎年金・老齢厚生年金の見込額を試算できます。スマートフォンやパソコンから利用できます。

試算方法には「かんたん試算」と「詳細な条件で試算」があります。

かんたん試算では、現在と同じ条件で60歳まで年金制度に加入し続けると仮定して将来の見込額を確認できます。

詳細な条件で試算すれば、今後の収入や働く期間、年金を受け取り始める年齢などを変更して比較することもできます。

「会社を辞めたらどうなる?」「受給開始を遅らせたらいくら増える?」といった条件も比較できるため、自分で計算するより実用的です。

ねんきん定期便でも確認できる?

毎年届く「ねんきん定期便」でも年金記録や年金見込額を確認できます。

ただし、年齢や加入状況などによって表示される内容は異なります。また、ねんきんネットの試算額は登録されている年金記録などをもとに計算するため、最終的な実際の年金額とは差が生じる場合があります。

より具体的な金額を確認したい場合は、ねんきんネットに加えて年金事務所で相談する方法もあります。

国民年金と厚生年金は両方もらえる?

会社員など厚生年金に加入していた人は、条件を満たせば老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取ります。

日本の公的年金は基礎年金の上に厚生年金が乗る仕組みになっているため、老齢厚生年金だけが単独で支払われると考えるのではなく、

老齢基礎年金+老齢厚生年金

で老後の年金額を考えるのが基本です。老齢厚生年金は原則65歳から老齢基礎年金に上乗せされます。

厚生年金は何年加入すればもらえる?

老齢基礎年金を受け取れる人に厚生年金の加入期間があれば、その加入期間などに応じた老齢厚生年金が上乗せされます。

そのため、「厚生年金に20年加入しないともらえない」という仕組みではありません。

ただし、加入期間が短ければ報酬比例部分を計算する月数も少なくなるため、同じ報酬水準なら加入期間が長い人より年金額は少なくなります。

厚生年金の保険料はいくら?

厚生年金保険料率は18.3%で、原則として会社と本人が半分ずつ負担します。

保険料は実際の手取り額ではなく、「標準報酬月額」と「標準賞与額」に18.3%の保険料率を掛けて計算します。会社員本人の負担分は原則その半分にあたる9.15%です。

たとえば給与が上がれば保険料負担が増える場合がありますが、その報酬は将来の老齢厚生年金の計算にも反映されます。

厚生年金はいつまで払う?

原則として、厚生年金の適用事業所で働く70歳未満の人は厚生年金に加入します。

65歳になって年金を受け取り始めても、70歳未満で加入条件を満たして働いている場合は厚生年金への加入が続きます。70歳になると原則として厚生年金保険の被保険者資格を失います。

ただし、70歳になっても老齢年金の受給資格を満たしていない人が働き続ける場合には、「高齢任意加入」によって受給資格を満たすまで加入できる制度があります。

65歳以降も働くと厚生年金は増える?

70歳未満で厚生年金に加入して働けば、その加入期間は年金額に反映されます。

一方、年金を受け取りながら働く場合は「在職老齢年金」にも注意が必要です。

2026年4月からは、賃金と老齢厚生年金の基本月額の合計が月65万円を超える場合に、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となる仕組みに改正されました。以前の基準は月51万円でした。

なお、この調整の対象は老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は在職老齢年金による支給停止の対象ではありません。

厚生年金は何歳からもらえる?

老齢厚生年金は原則65歳から受け取ります。

条件を満たす場合は60~65歳の間に繰上げて受給することもでき、反対に66歳以降へ繰下げて受給額を増やすこともできます。現在は原則75歳まで繰下げることが可能です。

ただし、繰上げ・繰下げを選ぶと生涯受け取る年金額が変わるため、単純に「早くもらう方が得」「遅らせる方が得」とは言えません。

よくある質問

厚生年金は月15万円もらえる?

人によります。

厚生年金の金額は給与・賞与と加入期間で決まるため、「会社員なら月15万円」と一律には言えません。

また、「年金15万円」という場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた金額を指しているケースもあります。自分の金額はねんきんネットで確認するのが確実です。

給料が高いほど厚生年金も増える?

基本的には増えます。

老齢厚生年金の報酬比例部分は、標準報酬月額・標準賞与額と加入期間をもとに計算されるためです。ただし、標準報酬には等級や上限があるため、実際の給与に完全比例して無制限に増えるわけではありません。

転職すると厚生年金はリセットされる?

リセットされません。

厚生年金の加入記録は勤務先が変わっても年金記録として管理され、複数の勤務先で加入した期間をもとに将来の年金額が計算されます。自分の加入記録はねんきんネットで確認できます。

2026年度は年金額が増えた?

増額されています。

2026年度は前年度と比べて、老齢基礎年金が1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%引き上げられました。年金額は賃金や物価の動きなどをもとに毎年度改定されます。

まとめ

厚生年金でもらえる金額は、現役時代の給与・賞与と加入期間によって決まります。

2026年度の標準モデルは夫婦2人分の基礎年金を含めて月額237,279円ですが、これはあくまで国が示すモデルケースであり、自分が受け取る金額とは異なります。

自分の厚生年金を知りたい場合は、平均額だけを見るよりも**「ねんきんネット」で自分の年金記録を使って見込額を確認することが重要**です。

厚生年金は加入期間が長く、報酬が高いほど基本的に年金額も増えます。将来の働き方や受給開始年齢を変えた場合の金額も試算できるため、老後の生活費を考えるときは一度自分の見込額を確認しておきましょう。

※本記事は2026年8月時点の厚生労働省・日本年金機構の公表情報をもとに作成しています。年金額や制度上の基準額は毎年度改定される場合があります。

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