50年住宅ローンは、同じ借入額・同じ正の金利なら35年返済より毎月の支払いを抑えられます。一方、返済が15年長くなるため総利息は増え、老後や住み替え時にも残債を抱えやすくなります。「月々払えるか」と「いつ、いくらで完済するか」をセットで比べましょう。この記事のミニ計算機で、ご自身の借入額から35年・50年の差を確認できます。
- 50年住宅ローンは得?3,000万円なら月約2.1万円減・総利息約257万円増
- 35年と50年をミニ計算機で比較
- 3,000万円を借りた場合の月返済・総返済・総利息
- 毎月返済は減るのに、総利息が増える理由
- 5年後・10年後・15年後の残債はどう違う?
- 50年住宅ローンは「苦しくなったら売ればいい」で大丈夫?
- 50年ローンで重要なのは「住宅の資産価値」と残債のバランス
- 売却時と定年時の残債も比べる
- 完済年齢は「現在年齢+期間」だけでは決められない
- 50年返済のメリットと、慎重に確認したい点
- 向いている人は?「危険」と一律に判断しない
- フラット50など、実際の商品条件は別に確認する
- よくある質問
- まとめ:月額・総利息・残債の3つで判断する
- 公式資料・計算条件
50年住宅ローンは得?3,000万円なら月約2.1万円減・総利息約257万円増
年1%が最後まで続くと仮定して3,000万円を借りる場合、毎月返済は35年の84,686円から50年の63,558円へ下がります。ただし総利息は5,567,998円から8,134,652円へ増加します。月額の軽さと引き換えに、長く借りる費用がかかるという関係です。年利0%では期間を延ばしても利息は0円で、総返済額は元本と同じになります。
35年と50年をミニ計算機で比較
同じ借入額・同じ金利で、返済期間だけを比較します。元利均等、毎月払い、ボーナス返済なし、全期間一定金利。手数料・保証料・団信の追加費用・税金・住宅ローン控除・繰上返済・金利変更は含みません。初期値の年1%は比較用の仮定で、実際の商品金利ではありません。
条件を入力して比較してください。
35年返済
- 毎月返済額
- 総返済額
- 総利息
- 計算上の完済年齢
50年返済
- 毎月返済額
- 総返済額
- 総利息
- 計算上の完済年齢
50年にした場合の差
- 毎月返済額の減少
- 総返済額の増加
- 総利息の増加
5・10・15年後のローン残高
| 経過 | 35年 | 50年 | 50年の方が多い額 |
|---|---|---|---|
| 5年後 | |||
| 10年後 | |||
| 15年後 |
10年後に売却すると仮定
- 35年返済の残高との比較
- 50年返済の残高との比較
売却費用・税金を引く前の差です。利益や手取り額ではありません。仲介手数料・登記費用等が別にかかるため、表示がプラスでも資金が不足する場合があります。
実際の売却価格は立地・土地価格・建物状態・市場環境等で変わります。本計算は将来の売却価格を予測するものではありません。
完済年齢は現在年齢に年数を足しただけの目安です。この年齢で借りられるという意味ではありません。年月日単位の年齢制限・審査・団信の条件を金融機関で確認してください。
金額は途中で丸めず、表示時に円単位へ四捨五入しています。表示月額×回数や表示額同士の差と、総額・差額に1円程度の差が出る場合があります。実際の金融機関の端数処理や初回・最終回の返済額は再現しません。
入力はこのブラウザー内の計算にだけ使用します。この計算機は入力を送信・保存せず、Cookie・localStorage・外部API・外部ライブラリを使用しません。入力上限はツールの仕様で、商品の融資上限ではありません。
返済年数や金利を自由に変えて試す:住宅ローン返済計算機。上のミニ計算機は期間比較専用です。40年や45年、金利が上がった条件は汎用ツールで個別に試算できます。
3,000万円を借りた場合の月返済・総返済・総利息
次の表は、借入3,000万円、年利1%、元利均等、ボーナス返済なし、繰上返済なし、現在30歳という仮定です。どちらも全期間同じ年1%で計算したもので、フラット50などの現在の提供金利ではありません。
| 項目 | 35年 | 50年 |
|---|---|---|
| 毎月返済 | 84,686円 | 63,558円 |
| 総返済 | 35,567,998円 | 38,134,652円 |
| 総利息 | 5,567,998円 | 8,134,652円 |
| 計算上の完済年齢 | 65歳 | 80歳 |
50年にすると毎月21,128円減る一方、総返済額・総利息はそれぞれ2,566,654円増えます。元本が同じなので、総返済額の差は利息の差と一致します。年利1.5%で同じ3,000万円を比較すると、月額は35年91,855円・50年71,102円、総利息は8,579,239円・12,661,133円。総利息の差は約408万円まで広がります。
毎月返済は減るのに、総利息が増える理由
35年は420回、50年は600回に分けて返します。返済回数が多ければ1回の返済は小さくできますが、元本が減る速度も遅くなります。利息は残高にかかるため、正の金利では「高い残高が長く残ること」が総利息の増加につながります。
計算式は、借入額P、月利r=年利÷100÷12、返済回数nとして、毎月返済額A=P×r×(1+r)n÷{(1+r)n-1}です。年利0%はP÷n。総返済額はA×n、総利息はA×n-Pで求めます。計算途中では丸めず、最後に円単位で四捨五入します。
5年後・10年後・15年後の残債はどう違う?
売却を考えるなら、支払った総額よりその時点で銀行に返す必要がある元本を先に確認します。例えば借入5,000万円・年1%が続く場合、次のようになります。繰上返済・手数料なし、各年の12回目の返済直後のモデル残高です。
| 経過 | 35年返済 | 50年返済 |
|---|---|---|
| 5年後 | 43,882,309円 | 46,047,891円 |
| 10年後 | 37,451,092円 | 41,893,240円 |
| 15年後 | 30,690,280円 | 37,525,667円 |
50年の方が多く残る額は、5年後2,165,582円、10年後4,442,148円、15年後6,835,387円です。どちらも返済とともに元本は減りますが、50年は減り方が緩やかです。金利や借入額を変えた場合は、上のミニ計算機の残高表で確認できます。
50年住宅ローンは「苦しくなったら売ればいい」で大丈夫?
ローンが残っていても売却を進めることは可能です。ただし通常は決済時に残債を精算し、買主へ抵当権を抹消した状態で引き渡せるよう、借入先と手続きを整える必要があります。抵当権とは金融機関が不動産を担保に取る権利で、完済しただけで登記が自動的に消えるわけではありません。三井住友銀行の完済後の手続案内でも、抹消登記と売却日に合わせた書類準備が案内されています。
アンダーローンは「売却価格>ローン残高」、オーバーローンは「売却価格<ローン残高」という状態です。例えば4,000万円で売れても残高が4,250万円なら、費用を考える前に250万円不足します。売れたことと、借金を全額返せたことは同じではありません。
上の5,000万円・年1%の例で、10年後に4,000万円で売ると仮定します。35年返済なら残債を2,548,908円上回りますが、50年返済なら1,893,240円不足します。4,000万円は説明用に置いた値で、将来の査定額・売却価格の予測ではありません。さらに仲介手数料、抵当権抹消・登記、印紙、商品によっては全額繰上返済手数料などが別途発生します。
売却価格が残債を上回っていても、差が小さければ費用を加えると不足します。残債とほぼ同じなら費用分を用意できるか確認し、残債を下回るなら自己資金や金融機関との相談が必要です。住み替えローン等も審査・商品条件があり、利用できると決めつけられません。
返済が困難な場合には、債権者と相談して任意売却を検討することもあります。ただし任意売却をすれば残った借金が自動的に免除されるわけではありません。住宅金融支援機構の任意売却案内を参考に、まず契約先へ相談し、売却条件と残債務の返済を確認してください。
フラット50には金利引継特約がありますが、特定商品の制度であり、すべての50年ローンに共通する仕組みではありません。購入者側の条件や審査等もあるため、これを前提に将来の売却を確約しないでください。
50年ローンで重要なのは「住宅の資産価値」と残債のバランス
住宅の売却価格は、立地・交通利便性・土地価格・建物の状態や築年数・管理状態・住宅性能・リフォーム履歴・地域の需給・金利環境などによって変わります。「築10年だから必ず何%下落する」といった一律の予測はできません。売出価格と成約価格、税金を計算する評価額も区別しましょう。
土地と建物の価値は分けて考える
土地は建物の法定耐用年数に沿って減価償却する資産ではありません。しかし、それは土地の市場価格が下がらないという意味ではありません。土地の立地・形状・需要等と、建物の状態・性能をそれぞれ確認します。マンションでも、建物だけでなく土地の権利や管理・修繕の状況が関係します。
減価償却と実際の売却価格は別
国税庁の減価償却の説明は、主に業務用資産の取得費を各年へ配分する税務上の考え方です。居住用の自宅を売る場合も、譲渡所得を計算する建物の取得費から減価償却費相当額を差し引く扱いがあります(国税庁 No.3261)。ただし、税務上の帳簿価額や取得費は、実際に買い手と合意する売却価格ではありません。法定耐用年数を過ぎたら家の売値が必ずゼロになる、という意味でもありません。
国土交通省は2014年3月の建物評価改善指針で、当時の中古戸建て市場にあった築後20~25年で一律に建物価値をゼロとする慣行を課題として挙げ、性能や維持管理・リフォーム等を評価に反映する考え方を示しました。これは評価方法の背景を説明する過去資料で、2026年現在の価格水準や個別住宅の売値を示すものではありません。
また、国土交通省の既存住宅・建物状況調査の案内では、個々の住宅の品質等に差があることを踏まえた状況把握が説明されています。修繕履歴・点検結果・性能を示す書類を保管し、複数の査定と周辺の成約事例を確認すると、単に築年数だけで判断することを避けられます。査定額も売却保証ではありません。
検討時は、①5・10・15年後の残債、②予定する売却時期、③売却費用を引いた不足額、④定年時の残高と完済年齢、⑤土地・建物の状態と管理費用、⑥繰上返済に回せる余力を一緒に確認しましょう。
売却時と定年時の残債も比べる
同じ3,000万円・年1%の例では、10年後の残債は35年返済で約2,247万円、50年返済で約2,514万円です。50年は約267万円多く残ります。売却価格から仲介手数料等を差し引いた手取りが残債を下回れば、不足分を別に用意する必要が生じます。物件価格が下落しても、ローン残高が同じ割合で減るわけではありません。
30歳で借り、繰上返済せず年1%が続く仮定では、65歳時点で35年返済は完済、50年返済は約1,062万円残ります。年金生活に入った後の月約6.4万円をどう賄うか、退職金を返済に使うなら生活費・修繕費を残せるかまで考えます。これらは契約可能性を示す数字ではなく、上記モデルの残高計算です。
完済年齢は「現在年齢+期間」だけでは決められない
単純計算では30歳+35年=65歳、30歳+50年=80歳です。しかし、商品には申込時・借入時・最終返済時の年齢条件があります。年齢の端数の扱いや親子リレーの有無も異なるため、「80歳と表示された」ことは「50年借りられる」ことを意味しません。
例えばフラット50は原則申込時満44歳未満で、借入期間の上限は50年と「80歳-申込時年齢(1年未満切上げ)」の短い方です。親子リレーなどの例外は公式条件を確認してください。一方、ドコモSMTBネット銀行のWEB申込コースは最終返済時満80歳未満を条件としています。「80歳以下」と「80歳未満」を混同しないことが大切です。
50年返済のメリットと、慎重に確認したい点
メリットは、毎月の支払いに余裕を作りやすいこと。子育てなど支出が多い時期に現金を残す選択肢になります。同じ月返済額で比較すれば、計算上は借入額を増やせる場合もあります。ただし審査は収入・他の借入れ等で変わり、借りられる額と無理なく返せる額は別です。
注意点は、利息・老後・金利・売却の4つです。変動金利なら長い期間に金利が動くリスクを負います。本計算機は途中の変動や5年ルールを再現しません。住宅の修繕費、管理費・修繕積立金、固定資産税も毎月返済とは別に見込みます。
繰上返済は将来の利息を減らす方法ですが、「必ず昇給する」「退職金で全部返す」だけを前提にしないこと。実行する時期・金額、期間短縮型と返済額軽減型の違い、手数料を確認し、緊急予備資金まで返済に回さない計画にします。住宅ローン控除への影響も個別に確認してください。
向いている人は?「危険」と一律に判断しない
検討しやすいのは、年齢条件を満たしたうえで、月額を抑える理由が明確であり、長期居住の見通しと余裕資金がある人です。家計に余裕が出たときの繰上返済計画まで作れれば、返済の柔軟性を持てます。ただし将来の返済余力は保証されません。
慎重に考えたいのは、50年にしないと今の収入で払えない場合、早期売却の予定がある場合、収入が不安定な場合、頭金が少なく売却時の不足資金を用意しにくい場合です。老後の残債が大きい人は、借入額を下げる・頭金や購入時期を見直す案も比べましょう。
フラット50など、実際の商品条件は別に確認する
以下は2026年9月16日に確認した商品例です。50年住宅ローンすべてに共通する条件ではありません。ミニ計算機の年1%・1.5%は商品金利の提示ではなく、期間の違いを見るための仮定です。
フラット50:全期間固定金利で、期間は36~50年の範囲内かつ年齢による上限まで。長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションのいずれかで、機構の技術基準等を満たす住宅が対象です。フラット50単独の融資率は物件価格等の9割まで。フラット35・20との併用で全体として物件価格等まで借入れを希望できますが、審査があり、融資率等で金利が変わります。
フラット50の金利は取扱金融機関・団信等で異なり、申込時ではなく資金受取時の金利です。35年商品の金利をそのまま50年へ当てはめず、同じ実行月・融資率・団信・金利引下げ条件で見積もりを取りましょう。詳細は住宅金融支援機構のフラット50利用条件を確認してください。
民間銀行の例:ドコモSMTBネット銀行の住宅ローンWEB申込コースは、新規借入で1~50年。借入時満18~65歳、最終返済時満80歳未満、安定した収入、指定団信への加入などの条件があり、本人・家族が住む住宅が対象です。新規と借換えでは期間条件が異なります。同銀行のWEB申込コース条件で確認できます。
同銀行の返済期間案内では、40年超~50年以内に年0.15%の金利上乗せが示されています(確認日現在)。つまり期間だけでなく、適用金利自体が変わる場合があります。実際の比較では期間による上乗せ・団信・手数料も含め、最新の期間別条件と自分に提示された金利を確認しましょう。
よくある質問
50年ローンなら途中で売れないのですか?
売却を検討できますが、残債の精算や抵当権の手続きなどを借入先に確認します。フラット50には購入者への債務引継ぎを想定した金利引継特約がありますが、誰にでも自動的に引き継げるわけではありません。買主の意向や審査・手続きの条件を確認し、売却価格や成立を保証する仕組みと考えないでください。
死亡・相続のとき、家族の返済はなくなりますか?
団信に加入し、保険金の支払条件に該当するかで変わります。フラット50では団信に加入しない利用も可能なので、「住宅ローンなら必ず残債がなくなる」とは限りません。契約時に保障範囲・免責・保障終了年齢を確認し、相続が発生した場合は借入先や専門家に相談してください。
月々浮いたお金を投資すれば得ですか?
運用益は確定せず、税金・費用・損失もあります。借入金利より高い利回りを必ず得られるとはいえません。まず生活防衛資金と老後の返済を確認し、運用が不調でも返済できるかを別に考えます。
この計算結果どおりの契約になりますか?
なりません。実行日、日割り、端数処理、手数料、団信、金利変更などで異なります。同じ金利で期間だけを比べる参考値として利用し、申込前には金融機関の返済予定表で確認してください。
まとめ:月額・総利息・残債の3つで判断する
50年返済は月々の支出を抑える選択肢ですが、同じ正の金利であれば総利息と途中の残債が大きくなります。まず同一金利で35年との差を把握し、次に実際の金利・年齢条件・費用を入れた見積もりを比較しましょう。最終判断では、定年時の残高と売却する場合の資金不足まで確認すると、月額だけでは見えない負担が分かります。
金利タイプ自体で迷っている場合は、次の記事で切り替えの判断材料も確認できます。

公式資料・計算条件
商品条件の確認日:2026年9月16日。制度や商品条件は変更されるため、申込み時に各公式ページを再確認してください。
- 国税庁:減価償却のあらまし
- 国税庁:建物の取得費
- 国土交通省:建物評価改善指針の策定(2014年・評価方法の背景)
- 住宅金融支援機構:任意売却
- 住宅金融支援機構:フラット50の商品概要・金利情報
- 住宅金融支援機構:フラット50の利用条件(公式ページ表示:2026年4月1日現在)
- ドコモSMTBネット銀行:WEB申込コースのお借入条件・返済方法
- 同銀行:返済期間と期間別金利上乗せ
金額例は当サイトによる元利均等返済の独自計算で、公式商品の見積もりではありません。途中残高は、返済開始からkか月後としてP×(1+r)k-A×{(1+r)k-1}÷rで計算しています。年利0%の残高はP-A×kです。個別の融資可否・将来金利・住宅価格を予測するものではありません。


