住宅ローンの諸費用はいくら?3000万・5000万円の現金と支払時期を整理

住宅ローンの諸費用を準備するときは、物件価格に一定割合を掛けるだけでは足りません。頭金とは別に、契約前後、ローン契約、引渡し、入居後のそれぞれでお金が必要になります。借入に含められる費用でも、支払日が融資実行より早ければ一時的に現金を用意する必要があります。

本記事では3,000万円・5,000万円の購入を例に、費用の項目と支払時期を資金表にします。新築・中古という区分だけでなく、売主から直接買うか、仲介で買うか、入居前に修繕するかで分けて確認します。

確認日:2026年9月30日。以下の金額は資金表の作り方を示す仮定です。実際の見積もり、税額、全国の平均費用ではありません。税の軽減・補助・融資対象費用は購入条件によって確認してください。

住宅ローンの諸費用と頭金・手付金を区別する

頭金は物件代金のうちローン以外で払う部分です。諸費用は物件代金以外の手数料・登記・税・保険など。売買契約で払う手付金は、契約条件に従い代金の一部に充当されることが一般的で、頭金と手付金を別々の追加費用として二重に足さないようにします。

ただし頭金0円の計画でも、契約時の手付金や先払いの費用に現金が必要な場合があります。「全額ローン」と「契約時に現金がいらない」は同じではありません。

費用を払う時期から資金表を作る

時期 確認する項目 書き込む情報
売買契約前後 手付金、契約の印紙・電子契約費用、仲介手数料の一部など 期限、現金で払う額、代金に充当される額
ローン契約・融資実行 融資手数料、保証料、契約関連費用 融資から控除されるか、事前払いか、借入対象か
引渡し・登記 代金残額、登記、保険、税や管理費の清算など 決済当日の必要額と振込先、見積書の有効期限
入居前後 引越し、家具、修繕、不動産取得税など 融資実行後の現金、後日請求への備え

国土交通省の住まいの費用案内は、購入時の費用と住み続ける費用を区別しています。支払時期や清算条件は契約で違うため、紹介された項目を自分の見積書と照合します。

3,000万円・5,000万円の現金準備例

説明用に、借入額を物件価格と同じ、ローン手数料を借入額の2.2%、登記・税・保険などの予算を3,000万円の例で60万円、5,000万円の例で80万円、引越し・家具を各30万円と仮定します。仲介で買う例は仲介費用の予算を各100万円・170万円と置きます。いずれも実額は見積もりで入れ替えてください。

項目 3,000万円・直接購入の例 3,000万円・仲介の例 5,000万円・仲介の例
ローン手数料の仮定 66万円 66万円 110万円
登記・税・保険等の予算 60万円 60万円 80万円
仲介費用の予算 0円 100万円 170万円
引越し・家具の予算 30万円 30万円 30万円
合計 156万円 256万円 390万円

表は新築と中古の相場比較ではありません。仲介のない直接購入を仮定した列と仲介費用を置いた列を比べ、取引方法による違いを示しています。新築でも仲介があれば費用が発生する場合があり、中古でも取引方法によって変わります。

仲介手数料は法令上の上限と実際の契約額を確認します。土地・建物の税の扱いなどで計算の基礎となる価格も確認が必要です。今回の100万円・170万円は計算用の予算で、上限額の算定ではありません。

中古のリフォーム、新築マンションの一時金を加える

中古住宅では入居前に修繕が必要か、工事代金をいつ払うかを確認します。表の3,000万円・仲介例にリフォーム200万円を加えるなら、代金以外の予算合計は456万円です。工事費を借入に含められるか、見積書・契約書・施工時期の要件を銀行に確認します。

新築マンションでは修繕積立基金などの一時金、戸建てでは外構・設備・地盤関連などが代金に含まれるかを照合します。同じ「物件価格」でも含まれるものが違えば、比較の総額がずれます。

入居後も修繕積立金や固定資産税などが続きます。初期費用に現金を使いすぎると、購入直後の維持費や修理に対応しにくくなるため、初期費用と生活防衛資金は分けて計画します。

事務手数料と保証料は同じ費用ではない

事務手数料はローン手続きなどの費用、保証料は保証会社を利用する契約で発生する費用です。定率型・定額型・金利に組み込む方式などがあり、すべての商品で両方を同じ条件で払うわけではありません。

三菱UFJ銀行の手数料・保証料の説明では、費用の性質や早期返済時の保証料返戻が説明されています。保証料は契約によって返る場合がある一方、事務手数料が同じように返るとは限らないため、予定保有期間も伝えて見積もります。

フラット35の利用条件も、融資手数料などの確認先を示しています。保証料不要という表示でも、融資手数料や検査・登記・保険の費用がゼロになるわけではありません。

低い金利と高い手数料を保有期間で比較する

説明用に、借入3,000万円のA商品は手数料66万円、B商品は5.5万円、Aの毎月返済がBより2,000円低いとします。手数料差60.5万円を月差2,000円で割る単純計算では、回収に302.5か月、約25.2年かかります。

これは金利差・残高・返済方法を再現した総費用計算ではありません。短期保有の人が当初手数料を見落とさないための粗い目安です。売却・借換え時の残高と費用、保証料返戻、金利変動も入れれば結論は変わります。最終比較は保有年数までの支払額と残債をそろえます。

融資前に払う手付金を現金表に入れる

預金600万円、頭金300万円、諸費用256万円の仮定なら、購入後に残る現金は44万円です。契約時に手付金100万円を払っても、それが頭金300万円の一部に充当される契約なら、追加で100万円を合計する必要はありません。一方、契約時点では100万円を用意しなければなりません。

つまり総必要額が足りるかと、各期限に現金があるかは別の確認です。融資実行が引渡し日なら、契約時費用や入居前工事の前払いをその融資で当日支払うことはできません。住宅会社・仲介業者・銀行に同じ支払予定表を見てもらいます。

購入予算から引渡しまでの確認手順

  1. 物件代金に含む設備・工事・一時金を確認する。
  2. 頭金と諸費用を分け、手付金の充当関係を記載する。
  3. 各費用の見積額・支払日・借入対象かを一覧にする。
  4. 融資実行前の現金残高を時系列で計算する。
  5. 入居後請求と修繕予定を加え、最後に残す現金を確認する。

頭金を増やすと月返済は下がりますが、諸費用と生活防衛資金も残す必要があります。頭金別の借入・現金比較は次の記事で確認できます。

住宅ローンの頭金はいくら必要?0・500万・1000万円と手元資金を比較
住宅ローンの頭金0円・500万円・1,000万円を、5,000万円の住宅と35年返済で比較。毎月返済、総利息、購入後に残る現金を具体的に計算し、購入諸費用・生活防衛資金・適用金利を踏まえて頭金を入れすぎない決め方と契約前の確認項目を解説します。

金利・返済期間・団信を含む全体の検討順は、総合ガイドにまとめています。

住宅ローンの選び方完全ガイド|予算・金利・期間・諸費用を7段階で確認
住宅ローンの選び方を、返せる予算、頭金、変動・固定金利、返済期間、諸費用、団信、売却時の残高まで7段階で解説。4,000万円を35年で借りる計算例と契約前チェックリストを使い、購入後の住居費と家計耐性まで含めた比較方法を具体的に確認できます。

諸費用は「合計」と「いつ払うか」をセットで準備する

3,000万円・5,000万円という価格だけから必要現金は確定できません。取引方法、融資費用、修繕、保険、税と登記の条件を見積もりに置き換え、支払期限ごとに確認します。

購入後の現金が少なくなる場合は、頭金や物件価格、工事時期から調整してください。借入に含められるという説明だけで現金準備を終えず、契約から入居後までお金が途切れない計画を作ることが大切です。

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