国民年金を払わないとどうなる?1年未納で将来いくら減るか計算

「国民年金を1年くらい払わなくても、将来それほど変わらないのでは?」

そう考える人もいるかもしれません。

しかし国民年金の未納は、単に「あとで年金が少し減る」だけではありません。

老齢基礎年金の金額が減るだけでなく、未納期間が長いと受給資格期間に影響し、病気や事故のときの障害基礎年金、死亡したときの遺族基礎年金を受けられない場合もあります。

結論からいうと、20歳から60歳までの40年間=480カ月を基準に考えると、

1年間=12カ月の未納
→ 満額の2.5%分

が将来の老齢基礎年金に反映されなくなります。

この記事では、

1カ月
6カ月
1年
2年

未納した場合に将来の年金がどれくらい変わるのかを、具体的に計算します。

国民年金を1年払わないと将来いくら減る?

老齢基礎年金は、原則として20歳から60歳になるまでの40年間、つまり480カ月の納付状況などをもとに計算されます。

40年間すべて納めれば満額です。

そのため、単純化すると、

未納による減少割合
= 未納月数 ÷ 480カ月

と考えることができます。

1年間未納した場合は、

12 ÷ 480
= 2.5%

です。

つまり、ほかの条件が同じなら、

1年未納
→ 満額の2.5%分が減る

ということになります。

1カ月・6カ月・1年・2年未納すると何%減る?

未納期間ごとの割合を比較すると、次のようになります。

未納期間480カ月に占める割合満額から減る割合
1カ月1/480約0.21%
6カ月6/4801.25%
1年12/4802.5%
2年24/4805.0%
3年36/4807.5%

「1年だけなら2.5%」と見ると小さく感じるかもしれません。

しかし年金は、原則として受給している間ずっと支払われます。

そのため、1年あたりの差が小さくても、受給期間が長くなるほど累計差額は大きくなります。

満額が年84万円なら1年未納で約2万1,000円減る

わかりやすくするため、老齢基礎年金の満額を仮に年84万円として計算してみます。

※84万円は計算例です。実際の満額は年度ごとに改定されます。

1年未納の場合、

84万円 × 2.5%
=2万1,000円

です。

つまり、

満額
84万円

1年未納
約81万9,000円

というイメージになります。

年間では約2万1,000円の差ですが、これが20年間続けば、

2万1,000円 × 20年
=42万円

30年間なら、

2万1,000円 × 30年
=63万円

です。

実際の年金額は毎年度改定されるため、将来この金額になるという意味ではありません。

重要なのは、

「1年未納=1年間だけ損する」

のではなく、

受給開始後の年金額に継続して影響する

という点です。

国民年金を払わないと起こることは4つある

国民年金を未納のままにすると、主に次のような影響があります。

1. 老齢基礎年金が減る

未納期間は、老齢基礎年金の金額を計算する際の納付済期間として扱われません。

そのため、未納月数が増えるほど将来の年金額は少なくなります。

2. 老齢基礎年金を受け取れない可能性もある

老齢基礎年金を受け取るには、保険料納付済期間や免除期間などを合わせた受給資格期間が原則10年以上必要です。

未納期間は、この受給資格期間に入りません。

加入期間が短い人の場合、未納が多いと、

「金額が減る」

だけではなく、

「そもそも老齢基礎年金の受給資格を満たせない」

可能性があります。

3. 障害基礎年金を受けられない場合がある

国民年金は老後だけの制度ではありません。

病気やけがで一定の障害状態になった場合には、障害基礎年金を受けられる可能性があります。

ただし、障害基礎年金には保険料の納付要件があります。

未納期間があると、この要件を満たせず、障害状態になっても障害基礎年金を受けられない場合があります。

事故や病気が起きてから、

「過去の未納分を何とかすればいい」

とは限らない点が重要です。

4. 遺族基礎年金にも影響する場合がある

一定の要件を満たす人が亡くなった場合、子のある配偶者や子に遺族基礎年金が支給されることがあります。

この遺族基礎年金にも保険料の納付要件があります。

そのため国民年金の未納は、

自分の老後

だけではなく、

家族への保障

にも影響する可能性があります。

「未納」と「免除」はまったく違う

払えないなら、

「どうせ払っていないのだから、未納でも免除でも同じ」

と思うかもしれません。

しかし制度上は大きく違います。

状態受給資格期間老齢基礎年金額障害・遺族年金の納付要件
納付入る反映される入る
全額免除入る一部反映入る
納付猶予入る追納しなければ反映なし入る
未納入らない反映なし入らない

特に重要なのが「全額免除」です。

2009年4月以降の全額免除期間については、保険料を全額払っていなくても、老齢基礎年金の計算では全額納付した場合の2分の1が反映されます。

一方、何も手続きをせず未納にすると、その期間は年金額に反映されません。

同じ「保険料を払っていない状態」でも、結果は大きく異なります。

納付猶予なら将来の年金額はどうなる?

納付猶予の承認を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には含まれます。

また、一定の条件を満たせば障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件にも算入されます。

ただし、追納しなければ老齢基礎年金の金額には反映されません。

つまり、

未納
→ 受給資格期間にも金額にも入らない

納付猶予
→ 受給資格期間には入るが、追納しなければ金額には入らない

という違いがあります。

免除・納付猶予は10年以内なら追納できる

免除や納付猶予の承認を受けた期間については、一定の条件のもと10年以内であれば後から保険料を納める「追納」ができます。

追納すると、その期間を老齢基礎年金の金額へ反映させ、満額に近づけることができます。

「今は払えないけれど、将来収入が増えたら払いたい」

という人にとって重要な仕組みです。

払えないときは放置せず「免除・猶予」を申請する

失業や収入減などで国民年金保険料を払うのが難しい場合は、未納のまま放置する前に、

保険料免除
納付猶予
学生納付特例

などが利用できないか確認しましょう。

免除等については、一定の範囲で過去にさかのぼって申請できる場合もあります。

「払えない=未納にする」

ではなく、

「払えない=まず制度を確認する」

ことが重要です。

払えるのに未納を続けるとどうなる?

国民年金第1号被保険者には保険料を納付する義務があります。

納期限を過ぎても納付されない場合、日本年金機構から文書や電話などによる納付案内が行われることがあります。

支払う能力があるのに未納を続け、納付勧奨後も支払わない場合には、

最終催告
督促

などの手続きが進み、督促状で指定された期限までに支払わない場合には、財産の差押えや延滞金が発生することもあります。

経済的に支払いが難しい場合は、放置するのではなく免除・猶予の相談をすることが大切です。

「1年未納」と「1年全額免除」ではどれくらい違う?

ここでも満額を仮に年84万円として考えます。

1年未納の場合は、

84万円 × 12/480
=約2万1,000円

分が反映されません。

一方、2009年4月以降の全額免除期間なら、その期間の2分の1が年金額に反映されます。

そのため同じ1年間でも、

未納
→ その12カ月分は0

全額免除
→ その12カ月分の1/2が反映

という違いがあります。

「どうせ払えないなら手続きしても同じ」

ではありません。

自分に未納期間があるか確認する方法

過去に国民年金を払ったか覚えていない場合は、

ねんきんネット
ねんきん定期便

などで納付状況を確認できます。

特に、

転職した
退職後しばらく無職だった
学生時代の手続きを覚えていない
自営業になった時期がある

人は、空白期間がないか一度確認しておくと安心です。

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よくある質問

国民年金を1年払わないと年金は何%減りますか?

20歳から60歳までの480カ月を基準に単純化すると、12カ月未納は満額の2.5%に相当します。

ほかの納付・免除状況によって実際の年金額は異なります。

1カ月だけ未納でも年金は減りますか?

はい。

単純化すると1カ月は480分の1なので、満額の約0.21%に相当する部分が反映されません。

国民年金を払えない場合はどうすればいいですか?

所得など一定の条件を満たせば、保険料免除・納付猶予・学生納付特例などを利用できる場合があります。

未納のまま放置せず、年金事務所や市区町村の窓口などで確認しましょう。

免除と未納は同じですか?

違います。

免除期間は受給資格期間に入り、一定割合が老齢基礎年金額にも反映されます。

未納期間は原則として受給資格期間にも年金額にも入りません。

未納があると障害年金は絶対にもらえませんか?

未納が1カ月あるだけで必ず受け取れなくなるわけではありません。

障害基礎年金には所定の保険料納付要件があり、その要件を満たせるかどうかで判断されます。

まとめ|払えないなら「未納」のままにしない

国民年金は、40年間=480カ月の納付状況などによって老齢基礎年金額が決まります。

単純化すると、

1カ月未納
→ 約0.21%

6カ月未納
→ 1.25%

1年未納
→ 2.5%

2年未納
→ 5%

分が満額から反映されなくなります。

しかし未納の影響は老後の金額だけではありません。

障害基礎年金
遺族基礎年金
老齢基礎年金の受給資格

にも関係します。

保険料を払うことが難しい場合は、何もせず未納にするのではなく、

免除
納付猶予
学生納付特例

などが使えないか確認することが大切です。

参考資料

日本年金機構
「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html

日本年金機構
「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

日本年金機構
「日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/kyoseichoshu.html

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